スザンヌクックグロイターは、「異文化をリスニングする」というテーマで、彼女が少数民族のスピーカーと対談する形式でのワークショップをおこなっていた。
先月、私たちEVEVでも運営協力させていただいた、IDGSの内的開発目標【Innner Developmental Goals】でもスザンヌクックグロイターはゲストスピーカーではあったもののの、彼女自身はほとんど発言をせず、その時も、少数民族のスピーカーのインタビュアーとなって、「異文化をリスニングする」ことをおこなっていた。
彼女はインテグラル界において、長老的存在となっており、5年ほど前から成人発達理論の研究からは離れ、非西洋文化と西洋文化の橋渡し的な役割をライフワークにし始めている。
わたし自身、彼女のトレーニングコースを受けた際に、非英語圏で、英語がネイティブではない中での参加に対しても心から歓迎してくれたし、今回のIECで日本人として登壇した中土井僚さんのプレゼンテーションにも、スザンヌクックグロイターはリアルタイムで参加し、激励のコメントをしてくれたりしていた。
スザンヌクックグロイターは、成人発達理論のそれぞれの段階の知識ばかりを頭で理解しようとすることを「アバウティズム」と言い、私たちは生きた人間を理解することの重要性を教えてくれています。
今回のワークショップの最後には、ジブリッシュもおこない、知識偏重、マインド偏重のインテグラル界に対して、「違う視点」を提供してくれています。
ホラクラシーのブライアンロバートソンも、「ティール段階」に対してあえて批判的な意見を述べ、今年のIECは、全体としてティール段階の課題を自己批判的に論じることによって、ターコイズ段階へのシフトの必要性を暗黙的に匂わせている印象を受けました。
ティールがあまりに「Knowing」(知ること)に偏るのに対して、「Unknowing」(知らないこと)についてもっと意識を向けていく、という話がまさにスザンヌクックグロイターと共通認識を示していた。
ブライアンのシェアしてくれた、パーパスがとても美しかったです。
「愛がエンパワーされ、力が愛であるような現実を築くこと。力と愛と見分けがつかない、そんな世界に私は生きている。」
私たちがいかに知らないのかについて意識的になることは、まさに目覚めであり、自分がなんでも知っていると思い上がることは無明であり、そこから謙虚さを保ちながら、異文化をディープにリスニングしていくことによって、それこそ、力と愛の見分けがつかない世界に住むことにつながるのかもしれません。
わたしも、インテグラル理論や成人発達理論を伝えようとすることの傲慢さに気づいて、もっともっと自分が知らないことや知らない人について意識を広げて、もっと他者や異文化を理解しようと努めていきたいです。