トラウマサミット【パットオグデン】「セラピーにおけるパラダイムシフト」
2022/07/02
トラウマサミット【パットオグデン】「セラピーにおけるパラダイムシフト」
同じ経験をしても、トラウマやストレスがどのようになるかは個人差が大きく、それらは、私たちの社会的な立場によっても異なるため、社会的立場の影響を考慮する必要性がある。
社会に周縁化されたり、抑圧されたりする立場なのかによってもトラウマやストレスの度合いが異なり、周縁化された立場にいればいるほど、より深いトラウマやストレスを経験することを知っておく必要がある。
脅威を感じたときに、わたしたちは自分の耐性領域(Window of tolerance)を超える。
脅威を感じたときに、大脳新皮質にまでそれらの情報は届かず、本能レベルで処理をされるので、身体に働きかけるアプローチが有効。
セルフタッチ、ハミング、ブレスワーク、マインドフルネス、ティクナットハンの内なる微笑み、身体の動きや姿勢のワークなどを紹介し、自分たちのリソースにつながるサポートの手法をたくさん紹介してくれました。
マインドフルネスもいわゆるひとりで瞑想するようなものとは全く異なり、ダンシーゲルと一緒に開発した、embedded relational mindfulness(埋め込まれた人間関係マインドフルネス)というものを紹介していました。
ロン・カーツの「体験の組織化」を紹介し、私たちがいかに体験を身体化しているかについて、気づいていく必要を説いています。
これはセラピーにおけるパラダイムシフトとパットオグデンが呼んでいるもので、私たちは自分の人生で何が起こっているかという話しているときは、単にこれまで通りのパターンを繰り返ししているに過ぎず、重要なことは、わたしたちはどのようにして体験が組織化されているかを見つけなければならない。
つまり、パラダイムシフトとは、私たちが話していることに注目するのではなく、自分たちの感情、思考や身体の動きや姿勢の習慣に注目し、そこに私たちが無意識的に持っている予測が反映されていると考えること。
どういうことが過去に起こったのかという内容ではなく、出来事の根底にある習慣や予測に対してより興味を持つこと。
リソーシング【資源化】とプロセッシング【処理化】の違いも解説し、パニック状態をプロセスしてしまうと、再トラウマ化してしまうということについて警告しています。
「re-telling再話はre-living追体験である」というフィリップ・ブロムバーグの言うように、記憶にアクセス【プロセッシング】することは、再トラウマ化につながります。
リソーシングは、将来の予測する方法をシフトさせて、その核心に迫り、異なる体験の組織化へのシフトを可能にします。
センサリーモーターのアプローチでは、クライアントが自分の身体の感覚をフォローできるようになると神経系でシフトが起こることを経験的におこなってきています。耐性の窓の範囲内でおさまるように統合される。