トラウマサミット2022【リサシュワルツ】トラウマ治療における包括的リソースモデル

2022/07/02

総括的リソースモデル(Comprehensive Resource Model)CRMはトラウマセラピーのツールとしてだけではなく、ヒーリングシステムそのものだとリサシュワルツ本人が言っています。

このモデルは、ありのままの自分自身でいるための障害になっている、自分自身とセルフジャッジメントの関係を変え、改善し、変容させるという特徴があり、重度の解離だけでなく、メンタルヘルス問題や依存症、ソマティック症状にもはたらきかけ、感情的、身体的トラウマを血筋、先祖代々のトラウマ、胎内期の愛着障害などさまざまな時間軸や種を超えて、ボディ・マインド・スピリットを再統合するワークです。

 

Everyday Evolutionでは、インテグラル理論や成人発達理論の情報をこれまでも発信してきていますが、このリサシュワルツのモデルは統合的なアプローチとして、特に、ボディ・マインド・スピリットの統合をはっきりと明示しているだけでなく、パーツワーク、神経生物学的、神経化学的、身体的、エネルギー的、スピリチュアル的、振動的、多次元的、形而上学的性質のリソースを同時に使っていくというところは大変興味深いアプローチだと思いました。

 

 

リサシュワルツは科学的実証がなされていないもの、目に見えないものも扱うことに対して、非常に積極的で、セラピストに対して、目に見えるものだけを扱うべきだというビリーフが制限になっていると考えています。

メインストリームの主流派が真実とするものによって、自分自身の思考が停止していないかと警笛を鳴らしています。

 

同調(アチューンメント)についても、セラピスト自身のアチューンメント、クライアントとのアチューンメント、クライアントが自分自身にアチューンメントすることをサポートする、と明記しているところも、それだけ何層ものアチューンメントに対して意識的であろうとするところもいかにリサシュワルツがここに重点を置いているのかが伺える。

 

安定型の愛着の環境で育っていないクライアントに対しても、私たちは生まれながらにして神経生物学的に、安定型愛着を育むためのテンプレートを持っていると考えて、逆説的に、トラウマや症状をリソースとしてみなしていく。

 

もしクライアントが安心を感じられていないのであれば、それはセラピストが解離しているからであり、自分自身に対してワークをしていく必要があると言っています。

 

まさに、インテグラル理論や成人発達理論によって、自分自身のワークをし続けていくことの重要性を、セラピストの観点からまとめられているような内容のプレゼンだと思いました。