IEC2022日本語コミュニティを終えて【テリーオファロン・ガボールマテ・ジェフフィッチ・クリスティアーネ】
2021/06/01
< id="subsection123_1">IEC2022日本語コミュニティを終えて【テリーオファロン・ガボールマテ・ジェフフィッチ・クリスティアーネ】>テリーオファロンの講演は「ミラーマインド」がテーマでした。
赤ちゃんが、1年半ぐらいの子どもになると、自分の姿を鏡で見て、「じぶん」に気づくようになり、そのことが、大人になっても実は、「マインドの鏡ミラー」によって、「じぶん」に気づいていくことを繰り返していく、という意味において、ミラーマインドがテーマになっていました。
鏡によって、「じぶん」に気づいた子どもは、最初、自分のニーズにしたがって、おもちゃがほしいと他人に物でも奪ってしまったりします。しかし、今度は、自分が持っているようなニーズを、他者も持っているということが分かるようになると、また次の段階に入ります。この段階に入るためには、自分自身がニーズを持っているということを鏡のように反転させて、他者を見られるようになる必要があります。
このような発達の仕組みを解説し、ターコイズ段階までざっくりと説明してくれました。
これまでEVEVが主催してきた発達支援コースでは、ターコイズ段階についてはあまり多くを扱ってきませんでしたが、今年はわたし自身、理解が深められたこともあり、今まで以上に踏み込んでいきたいと考えています。
これまでの発達支援コースの参加者の方は、これまでの各段階の説明が、Metaware層(ターコイズ段階以降)の説明も、その以前のConcrete層やSubtle層の繰り返しパターンだということがわかって、これまでの学習が役に立ったと言ってくれたのが嬉しかったです。
また、今回のIECの運営スタッフやフィンランドの登壇者も、テリーオファロンが運営するSTAGESインターナショナルのシャドウワーク年間コースで一緒だったり、前回別の記事で紹介した、ホラクラシーのブライアンも、STAGESモデルに基づいてプレゼンをしていたり、クリスティアーネもSTAGESで一緒に学んでいたりと、テリーオファロンのIECでの影響力も非常に強くなっている。
スザンヌクックグロイターは他の動画インタビューでテリーオファロンの研究については、どこまでの実証研究やデータがあるか分からないとコメントしていたので、あまりSTAGESモデルについては興味関心がないのかもしれないと思ったが、今回のIECではスザンヌクックグロイターもリアルタイムでテリーオファロンのプレゼンに聴衆として参加していて、スザンヌの謙虚さや熱心さもやはり素敵だなと思っていました。(もともとテリーオファロンは、スザンヌクックグロイターの元でスコアリングを学んでいた)
クリスティアーネは、何度も来日しており、わたしも何度かワークショップに参加した。
ホラクラシーのコンサルタントだったが、いまは彼女は独自の方法論をさらに進化させて、活動している。
ガボールマテが、レーガン元大統領やトランプ元大統領やプーチン大統領がトラウマを受けていて、そういうトラウマを受けている人を大統領に選んでしまう我々もいかにトラウマが内在化しているかという話をしていたが、クリスティアーネも私たちが使うPowerという言葉を調べると、いかにその言葉がネガティブな意味合いを多く含んでいるかということを話してた。本来、Powerという言葉は中立な言葉のはずなのにも関わらず、Powerというと、Power over~に対して力を使うという意味で、誰かに対して抑圧する形でパワーを奮ってしまうことが多く、Power with~の誰かと一緒に力を合わせていくことがうまくできないか。
トラウマがあると、Powerlessになってしまう。
クリスティアーネのパーパスは、LoveとPowerの統合だそう。
ジェフフィッチは、EVEVで昨年、奥さんのアビゲイルPhDと一緒に日本でオンラインワークショップで登壇してもらった。彼も、テリーオファロンと長年、リーダーシッププログラムをおこなってきて、U理論をグループダイナミクスに持ち込んで、変容的なリーダーシップに統合したり、特にMetaware層(ターコイズ段階以降)のリーダーシップ開発のプログラムをおこなっている。
ジェフフィッチのワークショップでは、「外面的な真実(Truth)は必ずしも自分を自由にしないが、自分の内面的な真実性(Truthfullness)は自分を自由にする」というケンウィルバーの言葉をヒントにワークショップを展開していた。(「万物の歴史」より)
わたしたちは、自分の内面の真実性(Truthfullness)を自分自身で大切にしていくことによって、クリスティアーネの言っている、Powerlessに気づいたり、Powerfullになれたりする、という意味において、Truthfullnessがいかに大切か。
Truthfullnessを大切にできることができて、はじめて、自分のLoveとPowerが統合された形で使えるようになるのではないか?
ちょうど先日、EVEVではユングのタイプ論をベースにしたメソッドのMBTIを受けてくださった方との集いの会を開催したが、その場は、まさにお互いが自分のタイプについて語り合うことで、自然にLoveとPowerが統合された形でコミュニケーションがなされていた。
自分のTruthfullnessが大切にされる場では、お互いにお互いに対してのTruthfullnessを大切にしあっている。
お互いが、お互いの違いを大切にしていると、Powerlessにならない。
会社組織や家族でさえも、日常生活でお互いの事実(TruthやFact)に偏ってしまうと、Truthfullnessが犠牲になり、義務や恥の気持ちからの行動が増えてしまい、喜びや利他的な精神性からの行動が減ってしまう。
単に無理くりポジティブな思考になろうとしたり、イメージをするのではなく、まずはネガティブになってしまったり、ポジティブになれない自己の内面のTruthfullnessを大切にするところからが必要な人もいるでしょう。
EVEVとしては、タイプや発達段階の学びを通じて、これからも、よりお互いの違いについてUnknownの立場を取り、謙虚になり、学び、尊重し、それぞれのTruthfullnessを大切にしていくスペースをつくることで、LoveとPowerが見分けのつかないような、自然な分かち合いが生まれる関係性の質を出現させていきたいです。